「つく」仕組み
- そもそも、 なぜ「つく」のでしょう?
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物と物とが「つく」ためには、 分子レベルで「近づく」ことが必要です。
接近すると分子と分子の間に電気的な力が働き、 お互いを引き付けあうのだと言われています。 これを「分子間力」と言います。
しかし通常、 物と物とをいくら近づけてもくっつきません。 それは、 固体と固体とは分子が引き合う距離まで近づけないからです。分子間力が働くためには、3~5オングストローム(1オングストロームは1億分の1cm)の距離まで近づくことが必要です。これは髪の毛の太さの10万分の1以下という距離です。
しかし、 固体の表面は、分子レベルで見るとデコボコで、いくらぴったり重ねても分子間力が働く部分はごくわずかです。 そのため「つく」ことができないのです。
そこで!粘着剤が固体と固体との隙間を埋めて、「つく」ことを可能にします。「つく」ためには、 固体の表面にあるデコボコを埋めることが必要です。
それができるのは、液体または液体に近い物質です。
たとえば、2枚のガラス板の間に1滴の水を垂らすとガラス板はぴったりと貼りつきますね。
これは、水がガラス板表面のデコボコを埋めるからです。これを「濡れた」状態と言います。
水は乾燥したり流れたりと不安定ですが、「濡れた」状態を安定して保っているのが、粘着剤なのです。
粘着剤は柔らかいため、押し付けたときに、固体のデコボコの山に突き刺さることで「濡れた」
状態を実現しています。
こうして「つく」ことができるというわけです。
引用: 日東電工ホームページ テープの科学館
1. 接着と粘着のちがい
接着剤は硬化に時間がかかるため短時間での接着強度は弱い。
粘着剤は瞬時に接着反応が完了するため、 短時間でくっつくが、強度は一定以上強くならない
(再剥離が可能)
2. 接着剤と粘着剤とは?
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- 接着剤の特徴
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物と物とが「つく」ためには濡れた状態が必要なので、接着剤は液体です。しかし、液体のままでは力がかかった時に流れてしまい安定が悪いため、 貼った後に液体から個体になるよう設計されています。
固体になる方法は、乾燥、冷却、化学反応などがあります。
例えばデンプン糊が固まるのは乾燥するから瞬間接着剤の場合は化学反応によって固まります。
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- 粘着剤の特徴
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接着剤に対して粘着剤は、常に濡れた状態を安定して保っています。そのため、すぐ「つく」ことが 可能で、剥がすこともできます。
基本的には、貼る前も貼った後も、べたべたした柔らかい状態(ゲル状)に変化はありません。
3. 粘着の種類
4. 粘着テープの構造
5. 粘着テープの製造方法
6. 粘着特性の基本三要素
タック:軽い力で短時間に被着体に粘着するカ
タック試験
鋼球を転がして粘着面のどの部分にくっつくか、またはくっつかないかでタックカを測る。鋼球のサイズも細かく規定があります。
粘着力:粘着面と被着体との接触によって生じるカ
粘着力試験
ステンレス板に粘着剤を貼り、そこにポリエステルフィルムをくっつけて、矢印方向に剥がすテスト。
保持力:粘着テープを被着体に貼り、長さ方向に静荷重をかけたとき粘着剤がずれに耐えるカ
保持力試験
ステンレス板に粘着剤を貼り、そこに1 kgの重りをつけてどれだけ耐えられるかというテスト。